DHAの有効性の臨床結果について

DHAの必要性

魚に多く含まれている必須脂肪酸であるDHAは、近年の食事では不足傾向にあることから、多くの人がサプリメントを利用しています。

DHAは、これまでに様々な臨床試験を実施し、多くの有効性が示されています。
臨床試験は、実際に実験を行っての結果なので、非常に信頼性が高いデータです。
下記より、DHAの持つ有効性を紹介します。

下記の情報については、（独）国立健康・栄養研究所より引用しています。

循環器・呼吸器

DHAは、中性脂肪やコレステロールを低下させる効果が証明されています。

・冠状動脈疾患に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。

・中性脂肪値が100-330 mg/dLの成人64名（平均年齢46歳）（試験群32名）を対象とした二重盲検試験において、1日あたりDHA 850mg添加魚肉ソーセージを12週間摂取させたところ、血中中性脂肪、RLPコレステロールが低下したという報告がある。

・中等度脂質異常症の男性34名(39-66歳、試験群17名)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 3g含有の油脂7.5g/日(プラセボ群はオリーブ油摂取)を90日間摂取させたところ、トリグリセリド、最高血圧、心拍数の減少が認められたという報告がある。

消化系・肝臓

DHAは大腸炎にも効果を発揮するようです。

・DHA・EPAを含む魚油の経口摂取が潰瘍性大腸炎に対して有効性を示唆したという報告がある。

脳・神経・感覚器

DHAが脳の栄養素といわれているとおり、多くの脳への有効性が証明されています。
また、視力の回復にも効果があることも証明されています。

・ストレスを受けている人の攻撃的な行動を抑えるのに、経口摂取で有効性が示唆されている。

・DHAは、脳をはじめとする神経組織に多く含まれ、それらの発育や機能維持に重要な役割を果たす事が報告されている。

・早産児における生後の視覚的注意力(visual attention)の向上に、経口摂取で有効性が示唆されている。

・6ヶ月齢の満期出生母乳栄養児55人を対象としたプラセボ比較試験において、DHA 115mg/100ｇを含む卵黄を含有する離乳食を与えた結果、12ヶ月齢での視覚機能が向上したという報告がある。

・平均年齢76±5歳の高齢者男女899名を対象とした、平均9.1年間（最長16年間）の前向き追跡研究において、血漿中DHAなどの濃度を測定した結果、血漿中DHA濃度が高い人では認知症の発生率が低かったという報告がある。

免疫・がん・炎症

アトピー性皮膚炎に対しての有効性が証明されているだけでなく、乳児の喘鳴を予防することも判明しているようです。

・DHAを含む魚油の経口摂取がアトピー性皮膚炎に対して有効性を示唆したという報告がある。

・アトピーの妊婦がn-3系多価不飽和脂肪酸3.7g（EPA 27.7%、DHA 56.0%）を含む魚油を20週間経口摂取することにより、子供のアトピー性皮膚炎の重症度が軽減されたという報告がある。

・リウマチ患者に対して、EPAを含む魚油(30，130 mg/kg)やn-3系脂肪酸(2.6g：DHA 6％、EPA 28％)を3-12ヶ月経口摂取させた研究において、症状の軽減が報告されている。

・大規模なコホート研究で、魚油を多く含む魚の摂取量が高いと前立腺ガンのリスクが低下することが報告されている。

・乳児554名にDHAを含む魚油を1日500mg、6ヶ月間経口摂取させた研究において、18ヶ月間の喘鳴を予防することを示唆した報告がある。

・乾癬患者19人に、DHA0.1ｇを含む魚油カプセルを1回2-3カプセル、1日3回(DHAとして0.6-0.9g/日)12週間投与した結果、症状の軽減が見られたという報告がある。

その他

肥満患者の体重を減少させたり、皮下脂肪や内臓脂肪の減少を期待出来るようです。

・早期出生児(122人)にDHA(総脂肪酸中0.5％)を添加した調整乳を与えた研究では、コントロール群(116人)と比べ、調整乳投与中(9ヶ月まで)の体重増加が早かったという報告がある。

・中等度の肥満・高血圧患者がDHAを含むn-3系脂肪酸を経口摂取することにより、体重が減少したとの報告がある。

・18-22歳の女性34人を対象とした二重盲検比較試験において、DHA 1,000mｇ含有の豆乳飲料を6週間摂取した結果、皮下脂肪や内臓脂肪の減少がコントロール群と比べて大きかったとの報告がある。

・アトピー性皮膚炎患者64名（2ヶ月-63歳）（試験群12名）にDHA1.2％、EPA0.6％を含む軟膏を2-3回/日、4週間塗布したところ、紅斑、丘疹、掻痒の皮膚症状が改善したという予備的な報告がある。

EPAの有効性はこちら。